【③ランゴレン運河編】イギリスの2つの運河でSUPしました!
いよいよランゴレン運河SUPをご紹介します!ルートはこんな感じの17kmほど。
ランゴレン運河は、ウェールズ地方の山間部を流れる運河です。このあたりは土壌が貧しいため、農業の中心は牧畜であり、その独特の景観は多くの観光客をひきつけています。 この運河は、「ポントカサステ水路橋と運河」という括りで2009年に世界遺産に登録されています。
ランゴレン運河は、当初エルズミーア運河 (Ellesmere Canal) と呼ばれたものの一部であり、主要な見どころであるポントカサステ水路橋は1805年に供用が開始されました。
産業革命が進んだ時期にできた水路橋のため、石炭をつかってつくられた鋳鉄が使われています。 そうした高度な技術のおかげで、閘門をつくらずに同一高さの水平面を移動できるようになっている、ある意味SUPにおすすめの運河です(危険なのでSUPは閘門に入れない)。
スタート地点は、運河への給水口であるホースシュー・フォールズ(Horseshoe Falls) 。運河の最も西側にあり、ディー川(River Dee)と運河の間の堰になっています。River Dee car Parkという無料の公共駐車場があり、運河や川でカヤックをする人がよく利用しているようです。
芝生の斜面を下りていき、運河を渡る扉付きの小さな橋を通ると、カヤックを水面に下ろすための船着き場みたいな場所があります。
川から水が流れ込んでいるため、運河も少し水流があるので漕がなくても進みます。
このあたりは船は入ってこないので、ジャングルクルーズのような趣がありますw 川の水なので水質はもちろんきれいですが、若干赤みがかった濁りがあるので土の鉄分が多いのかも。
ちなみに、このあたりは蒸気機関車のある保存鉄道が有名です。運河からもチラリと蒸気機関車が見えました。 ちなみに、「ナローボート」を書いたトム・ロルトは「きかんしゃトーマス」の作者であるウィルバート・オードリーと仲が良かったようで、トーマスの話の中で運河が登場することがよくあるようです。
さらに進むと、私有地の船着き場(?)からカヤックの授業を受けている中学生が登場。
その隣には係留場(Llangollen Basin)があります。船はここより奥には進めないようです。
その先には喫茶店併設のレンタルボート屋&遊覧船乗り場があります。
このあたりの眺めが最高で、ディー川の対岸の斜面に広がる牧草地と点在する伝統的な建物のある風景はまるで天国w
此処から先は広葉樹林のトンネルや牧場専用の跳ね橋をくぐり抜けたり。
ちなみに、運河沿いに大きな丸太が置いてあることがありますが、これはCRTが切り倒したもの。これらはナローボートの人たちが自由に持ち帰って薪ストーブの燃料にできるのです。なんというエコ!
お昼になったので、Bryn Howel Hotelの前のベンチで昼食。
運河沿いにはちょこちょこ立派な建物のホテルがあり、そこではイギリス人たちがワイン片手に談笑しているのです。
いよいよこの運河一番の見所、ポントカサステ水路橋に到着です。
水路が三叉に分かれていて、北側は船着き場、南側に水路橋があります。
水路橋の幅はナローボート1隻分しかないため、進行方向からの船が来なくなるまで手前で待ちます。
水路橋の高さは38mあり、歩道側には柵があるのですが水路側には柵がないため、転落防止のためかSUPの立ち乗りは禁止されています。
乗りたい気持ちをぐっと堪えてリーシュコードとパドルを使って牽引しましょう。
渡り終えると、後ろから陽気なナローボートが接近。パーティーとかピクニック気分で現地の若者は一日ナローボートで遊んでいるようです。 ちなみに、イギリスの運河には大きくループ状につながっているルートがあり、そういったルートを2週間ほどかけて家族や友人でナローボートを借りて周るそうです。なんて優雅な遊び!しかも、ナローボートは免許が不要なので誰でも操縦できます!
すぐ先には、ちゃんと交通として使われている跳ね橋が登場。
私は跳ね橋やロックゲートを動かすためのハンドルを持っていないので、SUPを陸送して乗り越えようかと思ったのですが、後ろから来たナローボートの人が跳ね橋を上げてくれたので、それに便乗にくぐり抜けることに。
ここから先は、ずっとこの黄色いボートについて行きました。時速6キロほどしか出ないため、簡単に追いつけますし、追い越されないので、ついて行くしか選択肢がないとも言えますw また、このあたりから船の往来が多くなり、連れ違うことが度々あります。
先に行くと、牧場の水飲み場がありました。河川の水がどんどん流れ込んでくるランゴレン運河ならではなのかも。
トンネルが近づいてきました。初のトンネルということもあり、黄色い船の後ろについていく作戦にしました。
すると、予想以上に暗い!ヘッドライド程度じゃ水面が殆ど見えません。かろうじて壁が見えるので、ぶつからないように、かつ、船のじゃまにならないように急いで漕ぎ抜けます。
トンネルを抜けると、また牧場のようなところに出ました。そこには、運河の水がオーバーフローしないようにするための施設がありました。ちなみに、閘門によって高低差のある運河は、最長部に運河に水を送る溜池があるそうです。
このあたりの森の緑の濃さも圧巻でした。9月中旬という時期は、イギリスの森を楽しむのにベストなのかもしれません。
そして、もう一度トンネル(チャークトンネル:421m)を抜けると最終地点のチャーク水路橋です。ちなみに、こちらのトンネルのほうが長くて怖いですw
こちらの水路橋は鉄道橋と並走しながらディー川を越えるという面白い作りです。
運良く電車と一緒に記念撮影することができました。
そして、水路橋を渡り終えると、ウェールズからイングランドに入ることになります。車だとあっという間ですが、SUPで境界を越えるのはなかなか感慨深いです。
ちょっと行ったところに車が止められる場所があるので、そこでゴール。運河全体に流れがあることもあり、4時間程度の旅でした。
これまで国内のいろんなところでSUPしてきましたが、これほど自然が豊かで、水辺が生活に根付いていて、距離がとれるところはなかったように思います。また必ず来たい!と強く思えるほどの良いルートでした。
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